たかだ ゆき高田 祐希さん前居住地:愛媛県松山市ミッション: 地域資源を活用した体験メニュー開発・空き家の活用松山市で生まれ育ち、愛媛大学・大学院で環境資源活用や農村マネジメントについて学ぶ。大学院修了後、三瓶町周木地区の地域おこし協力隊に着任。宿泊施設づくりに取り組みつつ、大学生協働事業、地域づくり組織での活動など地域と学生や来訪者を結ぶパイプ役としても活躍中。instagram@snow_yuki1227 「周木に一回来てみん?」愛媛大学在学中、農業や林業の実習を行う中で西予市各地域との関わりがあった高田さん。卒業研究として西予市の「地域づくり組織※」を全調査することになった。そんな中、西予市三瓶町周木地区の地域づくり組織である「周木ビリ島むらおこし会」会長の清家会長に「周木に一回来てみん?」と声をかけられ訪ねてから、周木地区に通うようになった。【※西予市の地域づくり組織】市内に27の地域づくり組織があり行事や地域運営などを担う。その働きは全国的にみても活発で、地域おこし協力隊の活動支援も担当する。協力して“もらう”隊着任して一ヶ月頃、町内の球技大会で膝の靭帯を損傷。手術を終えてやっと退院したときには大学生60人のフィールド実習の受け入れを3日後に控えていた。「よちよち状態で、ほぼ歩けなかった」と高田さんは振り返る。「本当に申し訳ないけど、授業の手配とか準備を、地域の方にお任せして。皆さんに手足となっていただいて。でも結果、地域からの反響が結構大きくて『来年やるなら手伝うよ』という人も出てきてくれたり。“私だけ”でやらなくて良かったと感じた部分もありました。」「元々、皆さん助けてくれる気風。私が一人でやらなきゃって思ってただけなんですけど。“協力してもらう隊”でもいいんじゃないかと思った。地域の人と一緒にやればいいんだなと。」怪我で改めて気付いたという。「協力してもらう能力っていうのは、移住者にとっては結構大事なんじゃないかなって思います。協力する能力じゃなくて、協力してもらう能力」と笑う。幸せいっぱいに働かせてもらってるなと感じます大学院修了後の進路について悩んだこともあったというが、このミッションでの地域おこし協力隊という仕事には、6年間学んできたことを連続性を持って活かせるイメージが湧いた。「何かをやらされているわけでなく、やりたくてやっていることが多い。自分がやってきたことも活かせる。気持ちの面では、そこに納得がいってできた移住。幸せいっぱいに働かせてもらってるなと感じます。」これから叶えたいことまずは現在手掛けている古民家を改装し、宿泊施設としてオープンすることを目指す。そして宿泊だけでなく地域内外の交流の場としても活用したいという。また、田舎体験を通して感性・能力を鍛える人材育成事業もやっていきたいという高田さん。自身の幼少期の経験から、小さなことでも気づける能力が大事だと感じているという。「課題の発見も観察の力から。子どもたちに、いろんな選択肢、いろんなことができるということを知ってほしい。」▲毎夏、周木で開催する「いかだ集会(くじら形の島「ビリ島」を手づくりいかだで一周するレース)」に向け大学生・高校生・地域の子どもたちと準備。移住って“たまたま”の連続。まず“行ってみる”ところから移住や田舎暮らしに興味がある方には「移住」をもっと気軽に捉えてみてほしいと話す。「移住ってたまたまそこに行ったら、たまたま気が合って、移住することになった、ぐらいのたまたまの連続やと思うんです。例えば“行ってみる”ことから始める。たまたま移住することになるかもしれないぐらいの感覚で。」 協力隊についてももっと構えずに考えても大丈夫だと感じたという。「協力隊=多分すごい人」というイメージがあった高田さんだが「実際協力隊になってみたら全然すごくなくていいなと思っています。地域でおこされる、“協力してもらう隊”ですから。」▲「SUIJIプログラム(インドネシアと四国3大学の連携プロジェクト)」でタコ漁に取組む。今回の高田さんへの取材では明浜中学校から職場体験としてせいよクラスに来てくれた、露口 楓實奈(つゆぐち ふみな)さんが取材を手伝ってくださいました。限られた職場体験の時間内でまとめてくださった記事を紹介します。◾️高田さんのミッションについて地域資源を活用した体験メニューの開発。空き家の活用。体験メニューの開発は地域づくり組織と一緒に行っている。空き家の活用は、「宿泊施設」「集まってみんなですごせる場所」「交流」を目的として活用していこうと考えている。◾️西予市を選んだ理由、協力隊に応募しようと思ったきっかけ大学での機会で西予市に来ることが多かったから。(どこかと比べて決めたのではなく西予市に来る機会が多かったから)お世話になった人が多かったから。◾️移住前のイメージと違ったこと、大変だったこと去年5月、膝を怪我した時に病院が遠かったり、バスの使用が難しかったりと、色々な面で不便が見られ、大変だった。大学在学中には(滞在)受け入れ側の大変さがわからなかったけど、周木に居住し、実際に体験して大変さがよくわかった。◾️これから叶えたいこと12月までに交流できる宿泊施設をオープンし、集まって過ごせる場所を開けられるように頑張る。【スタッフ編集後記】移住した理由として「お世話になった人が多かったから」という高田さんの話がありましたが、自身も移住者である筆者はとても共感しました。西予市は訪問を重ねるごとに、関われる人がどんどん増えていく感覚があります。「○○を見てみたいんだって?だったら◾️◾️さんを紹介するよ」「▲▲をやってみたいなら⚫︎⚫︎さん呼んじゃる」そうやって過ごす時間はとても楽しくて、興味があることいっぱいで、“この人たちと暮らしてみたいな”と思うようになり移住した記憶が蘇ります。 職場体験に来てくれた露口さんは、積極的に取材準備から質問からこなしてくれて、限られた時間の中でしっかりとまとめてくださいました。また「せいよクラス」に遊びに来てくださいね。一緒に交流イベントを企画しましょう♪