じょうこう しんすけ / かたおか まさよし上甲 信輔さん / 片岡 正嘉さん出身:愛媛県西予市みかん農家〈天晴農園〉2020年に西予市明浜町にて4人の若手みかん農家で結成されたグループ。笑顔になれる柑橘を全国の食卓へ届けるべく、メンバーを増やしながら活動している。天晴農園が栽培するみかんの美味しさと、和気あいあいと栽培を楽しむ個性豊かな様子で、多くの方から“あっぱれ”と言ってもらえるような農業を目指す。天晴農園が発信するSNSやイベントにはみんなの笑顔が溢れている。「明浜(あけはま)みかんを後世に残したい」「楽しい農業で明浜町のみかん農家を盛り上げたい」「若者が帰って来やすい場所を作り、地域の活性化に繋げたい」そんな想いで繋がる個性豊かなメンバー。今回はその中の二人、上甲 信輔さんと片岡 正嘉さんにみかん農家の仕事や日々の暮らしについてお話を伺った。県外からUターンしてみかん農家になった二人家を建てる仕事がしたいと大阪の建築の専門学校に進み、兵庫の建材系工場に勤務していた上甲さん。最初はみかん農家を継ぐ気は全くなかったそうだが、結婚を機にいずれは実家に帰って継ぐことを考えた。小さい頃から動物に触れあう機会が多かった片岡さんは動物関係の専門学校に進み、福岡のペットショップに勤務していた。だが、小学校低学年の頃の「みかん農家を継ぐ」という祖父との約束が記憶にあり、習えるうちにとUターンを決めた。みかん農家の1日朝6時半に起床、7時半頃に子どもを見送り、その日の作業の段取りをして昼まで仕事。昼食を取ったら夕方まで午後の仕事をする。上甲「(休みの日も)気まぐれで。やらないけん仕事はやるんですけど、それ以外は結構自由に休んだり。」みかん農家が忙しい時期は10月終わり頃から12月いっぱいまで。この間は毎日休みなく収穫が続き、それが明けたら少し落ち着く。「正月休むために頑張る」と片岡さん。休みの日は二人とも家族と過ごす。仕事のポイントを押さえておけば、融通が利き時間に縛られないのがみかん農家のいいところ。一方、日々の仕事はやはり体力を必要とする。でも「体を動かして汗をかくことはリズム的によい」と片岡さん。事業として成り立たせるには、知識など多くを自分で吸収し自分でやっていくことも大切だ。上甲さんは「時間に縛られないんで、気楽にのんびり仕事ができるようになった。気持ちも楽に働いている感じはある」と話す。片岡さんも同じだそうだが、「やらないといけない」という責任感はすごく増したそう。二人ともUターンしてからの働き方の方が合っているのだそうだ。現在のメンバーは5人(令和5年1月時点)。郷土料理・収穫体験等が楽しめる「天晴フェス」の開催や、子供向けイベント他、地域を盛り上げる活動も積極的に行っている。天晴農園天晴農園は子供向けのイベントや天晴フェス等の地域活動も行っており、地域との連携、明浜の宣伝などに繋がっている。チームとしての活動は楽しく、息抜きにもなっていると二人は話す。2022年には天晴農園のゲストハウス「Orange House 10」を立ち上げた。星が見え、海のそばを散歩できる素敵なゲストハウスだ。きっかけは「日本の農業を勉強しているブータンの子供たちが来た時に、古い家しかなくすごく不便な思いをさせてしまった。次に来てくれる時にはちゃんとしたところに住まわせてあげたい」という想いから。「農業アルバイターや収穫体験の人にも安心して来てもらえたら。」他にも帰省やお墓参りで帰ってくる人、お遍路回りの人、ワーキングスペースとして利用したい人などに人気だ。後継者が帰りやすい場所づくり片岡「天晴農園で活動しているのは『後継者が帰りやすい場所づくり』というのが僕の中では一番かなと思っているので、そこを発信していきたい。(後継者が)帰ってきたときにお手本となる農家になってたいなっていうのがすごいあって、指導というか。そうなれるように今頑張ってます。」移住や就農に興味がある方は、まずは市や自治体がやっている就農体験がおすすめ。片岡「後継者不足ですし、ぜひ一緒にやりたいですね。」自由だけど強く責任を持ち、そして楽しく。「みかんを食べてもらっておいしいって言ってもらったときは、やっぱりうれしい。」そんな天晴農園の面々が育てるみかんは、明浜の太陽のように明るく幸せな味がする。instagram @apparenouen(https://www.instagram.com/apparenouen/)Orange House10 電話:0894-89-4020住所:西予市明浜町俵津3-155HP: https://www.orange-house10.com/1棟貸し有。最大9人。駐車場・Wi-Fi有。