ふじかわ あきのり藤川 晃徳さん出身地:愛媛県西予市イラストレーター西予市宇和町出身。30歳まで地元の飲食業などに勤める。その後松山市へ移り、絵の創作活動をしながら生活した後、西予市へ戻る。戻ってからも創作活動を続け、個展を開いたり、企業からの依頼で絵を書くなど活動。宇和町の米博物館敷地内にあるカフェで店長として経験を積み、現在古民家の改装を行いギャラリーと喫茶の場をつくろうと準備中。宇和町出身の藤川 晃徳さんは30歳まで地元で過ごしていたが、やりたいことがたくさんある中、挫折することもあり「新しく気分を変えよう」と松山市へ。松山へ移り住んだタイミングで“挑戦してみたらいいんじゃない”と周囲から後押しされ絵を描く活動を始めた。幼い頃から絵を描くのが好きだった晃徳さん。今思うと、もっと早く始めればと思うほど絵描きの活動が楽しいという。自分らしく過ごせる時間を求め西予市に戻り、ギャラリーと喫茶の場づくりに取り組む晃徳さんにお話を伺った。作品名:「lavrar(ラブラール)」心地よい距離感や時間の使い方を西予市の中でも、昔ならではの田舎の風景や海が見える景色が好きだという晃徳さん。田舎暮らしでは近所付き合いを気にする方もいると思うが、晃徳さんは自分の時間とのバランスを上手に保てたらと話す。「街(松山)にいるときの方が近所付き合いは無いし、割と一人の時間が多かったはずなんです。でも街にいると夜遅くまで仕事できる場所もあるので無理に仕事を入れてしまったりと、割としんどい思いをしました。」自分の生活リズムや収入のバランスを考えて、どちらで働いても収入は変わらないだろうと地元西予市に戻ることを決めた。自分達も手を動かしながらの改修いずれは自分のお店を持ちたいと前々から考えていた晃徳さん。結婚したタイミングで店づくりの勉強になる機会を探していたところ、宇和米博物館の敷地内にあるカフェの店主として働けることになった。2年ほどの経験を積み、現在は2人の自宅となる古民家の改修を行い、自宅兼ギャラリーと喫茶の場をつくろうと準備を進めている。結婚後の住居を探す際、もともと賃貸派だった晃徳さん。だが妻の未知さんから後々お店としても使える一軒家がいいんじゃないかと提案があり、そのような用途で使えるような気に入った物件があればと探し始めた。空き家探しは難航。ネットの情報ではわからず電話を何度もかけたり街をぐるぐると歩きまわったりもした。「Iターンの人は土地勘もないし本当にえらい(大変だ)なって思って。いろんな地域があって、その地域ごとの人との距離感もあるから、お試しで何日か過ごしたり体験した方がいいかなって思います。」条件が合うところはとても少なかったが、写真がほとんど登録されていない1つの物件が気になっていた。現地に行くと、田んぼが広がり目の前に遮るものが何もないその物件を気に入りそこに決めた。改修作業は地元の大工さんと進めているが、晃徳さんも未知さんも自分達でできることはやりたいという想いがあり、断熱材を入れたりと手伝えるところは教えてもらいながら自分達も手を動かしている。住み心地と理想の家づくりのバランスを取るのは楽しくもあり難しい。昔ながらの建具など残したいものがあっても、隙間風や老朽化から泣く泣く新しいものに変えることもあった。「自分達が魅力的に思ったり、使えるものはそのまま使いたいといった想いを意志をもって言わないといけない。替えてよかったと思う部分もあるけど、バランスがなかなか難しい。」寒さ対策など暮らしやすさを重視したアドバイスをくれつつ、自分達の価値観も理解してくれる大工さんとの二人三脚の家づくりだ。自分で生業をつくり自分の時間をつくる理想の暮らしのイメージを聞いた。「元々自分で何かしたいという想いがあったので、自分で生業(なりわい)をつくって、自由な時間に働いて、好きなところへ行ける時間づくりができればいいなっていうのは理想です。たくさん稼ぎたいとかそういう想いはないので。“働く”っていう感じができないですね。」と笑う。家には小さい作業部屋もつくっているといい、理想の暮らしが叶う空間になりそうだ。自分の心地よい人との関わり方や時間の使い方を大切にしている晃徳さん。そんな晃徳さんが作り出す空間は心地の良いものになるのだろう。お客さんとして足を運べるようになる時がとても楽しみだ。Instagram https://www.instagram.com/akinori3_oekaki/